採用活動において良いも悪いも含めて職場の現実を知らせること
こんにちわ。組織開発 がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
採用する上で自社のよいところを伝え、応募者さんの意向を上げることは大切です。一方で、ネガティブな部分や課題など、難しい現実の情報が伝わっていないと入社後にギャップで意欲が低下したり、早期の離職に繋がる可能性が上がります。
この記事では、入社前に職場の現実を知らせる概念である「現実的職務予告」についてまとめます。
現実的職務予告とは?
現実的職務予告 (Realistic Job Preview)とは、採用プロセスの中で候補者さんに対してポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も含めた職務や職場環境の現実を伝える手法です。これにより、候補者さんは入社前に職務の本当の姿を理解し、期待と実際のギャップを減らすことができます。
現実的職務予告の目的
期待管理
候補者さんの期待を現実に即したものにすることで、入社後の不満や早期離職を防ぐ。
適応促進
入社前に職務の現実を知ることで、候補者さんが早く業務に適応しやすくなる。
ミスマッチの防止
会社や職務が自分に合っているかを候補者さんが判断できるため、ミスマッチを防ぐ。
仮に自分に合っていない会社であるなら、入社後に気づいて退職するよりも選考途中で辞退する選択肢を選ぶことができます。これは、応募者さんが自分自信で応募や辞退の判断をするため「セルフ・スクリーニング」と呼ばれます。
現実的職務予告の具体的な方法
現実的職務予告の具体的な方法としては以下のようなものがあります。なお、セルフ・スクリーニングはいろんな場面で分散して実施することができます。例えば普段の発信による認知段階の対応、求人ページの記載内容による応募段階の対応、選考中の対応、オファー面談の対応などです。
職務内容の詳細説明
日常の業務、役割、責任について具体的に説明します。
職場環境の紹介
物理的な職場環境や企業文化、チームの雰囲気について伝えます。
ポジティブとネガティブの両方の情報提供
楽しさややりがいだけでなく、ストレスや困難な面についても率直に伝えます。
注意点
バランス
現実的職務予告は、新しい職場への期待を過度に高くしすぎないことや、職務の難しい部分に対して楽観的に認識されないようにするために重要です。一方で、この部分だけを強調すると単に「つらそうな会社」としか見えないため、逆効果にもなりえます。
そのため、基本的な意向上げをしっかりとすることとワンセットで現実的職務予告を実施する必要があります。意向上げの詳細については
を参照ください。
具体性
現実的職務予告をする際は、曖昧な内容ではなく具体的な内容にすることが大切です。曖昧な内容だと、実態よりも過剰にネガティブに捉えられ、想定以上に不安を膨らませてしまう可能性があります。具体的なエピソードを用いるなどして伝えましょう。
フォローアップ
現実的職務予告を単に伝えるだけではなく、上司や同僚が一緒の支えるというメッセージを伝えたり、過去に難しい場面を乗り切った人のエピソードを伝えるなどして、単に厳しいだけではないという点を伝えることで現実を伝えつつも不安を軽減することができます。
まとめ
入社前に職場の現実を知らせる概念である「現実的職務予告」についてまとめました。
採用を成功させるうえで意向上げばかりに意識が行きがちですが、入社後のギャップをうまないためにもバランスよく現実的職務予告も行っていきましょう。また、そういった現実を伝えること自体が「誠実さ」としてポジティブに受け取られることも過去の採用業務の経験上ありました。